中国(広州市)の旅・前編  2011.1.28 天笠 富夫

 

―――――――――――――――――1日目――――――――――――――――――――

[出発]

 昨年中国に転勤した息子夫婦より、一度中国に遊びに来ないかと誘われていたが、あま

り好感のもてない場所に行くのにためらいがあったが、思い切って中国に行くことになっ

た。行くに当たり日本の食べ物を持ってきてほしい等の要望に応えながら、12月31日

の早朝京王線の始発電車に乗り、新宿から特急に乗り成田空港に出発した。

 

成田空港第二ターミナル駅到着後、すぐ荷物預かり手続きをする、手続きは比較的簡素化

され、パスポートをスキャーナーで読ませた後番号入力し搭乗荷物の預かりは終了した。

次は搭乗で手荷物検査終了後広州行きの出発便がでる、76番ゲートまで移動した、そこ

は第二ターミナルの一番端で、中国人が多く、じっとしていられない国民性か声が大きく

怒鳴るように会話をしていたが気になった、午前9時35分飛行機は成田を発った。

 

<参考>

広州市は広東省に属し、中国で北京・上海に次ぐ市で昨年アジア大会が開かれた、

どちらかと言うと観光都市ではないが、上海及び香港には列車で、2時間前後

で移動できる所で、気温は1月で10度から18度くらい、8月で25度から

33度くらい比較的暖かいところである。

 

[広州空港〜ホテル]

成田を発ち5時間後広州の空港に到着した、時差は1時間で日本時間より1時間早くなる、

(以後時間は現地時間で説明する) 入国手続きは遅く、真面目で謹言実直そうな人が入

国審査を行っていた、その作業内容はパスポートの写真と本人確認をし、その場で再度写

真をとる、人によってはメガネをはずさせ写真をとっている。ともかく遅い1名1分とし

て30名ほど並んでいるので時間がかかってしょうがない。入国審査後成田から積んだ荷

物の受け取りにいく、コンベアーの回転の速さが速いので受け取るのも大変だ、ともかく

速さに驚かされる。

 

空港で処理をすべて終了すると息子夫婦が来ていた、息子がいつも使っている運転手の車

に乗り息子夫婦と別々の車でホテルハヤットに行く、運転手は中国人、中国語しか理解で

きない、でも親切に落ち着いて運転していた。道路は片道3・4車線で道路は広い、空港

周辺の道路の両側には、ポントセチアとかパンジなどの花で飾られ非常に整然としていた。

だが他の運転手のマナーは、かなり乱暴でホテル(1時間乗車)に行くまでに追突事故を

2件見た。

 

[ホテル]

ホテルは金融センターの近くで銀行・大型商店が多く、近くに珠江河がながれていて、広

州タワーがある、宿泊先は外資系のホテルで、事前に安く予約しておいてくれた。

ホテルからの景観(銀行)

 

予約しておいてくれた部屋はスイートルーム、広さ90平方メートル、こんな大きな部屋

に泊まった事は今までかってなかった、テレビが3台・トイレが2カ所あつた。(テレビは

パナソニック製でNHK放送が受信できるようになっている)また、フロントは22階こ

こを通らないと各階に移動できない仕組みになっていた。

 

荷物を置き一息ついた所、息子夫婦が来た、日本から持ってきた荷物の中ですぐに持って

いったのは、ヤキソバ・ラーメン・カステラ・納豆など真っ先に持っていってしまった。

(日本のラーメンは中国のソバと違い中国人ですら食べたがっているそうだ)息子夫婦は、

持参した土産の荷物を持ちながら広東料理屋に徒歩で案内をしてくれた。

 

[広東料理屋]

大きなビル谷間を15分ほど行くと、そこは広州で有名な店らしいが名前は不明、入り口

には12月31日なのにクリスマスツリーがまだ飾られていた、この国ではキリストに関

係なく、旧正月までツリーを飾っておくみたいだ。店はビルの4階にあり、テーブル席で

混んでいた、料理の内容は、厳選されていて、変な物は使われていないと言っていた、野

菜・豚肉のxxの部分とか食材を説明していたが、ともかく油濃い。

 

そのために太らないようにお茶があるみたいだが、食べていて少し飽きてきたころ、北京

ダックが出てきた、これはすぐにできないので事前に予約してあったようだ、鳥(アヒル)

の皮の近くの肉をみそで味を付けて、餃子の皮みたいなもので巻いてあるので非常に食べ

やすく美味しい、みそで味付けしない残りの肉を後でもつてきたが、パサパサで食べられ

なかった。夕食後ホテルに戻ったが新年を迎えるセルモニーは何もなく、1日目は終了し

た。

 

―――――――――――――――――2日目――――――――――――――――――――

[ホテルのバイキング]

ホテルの朝食のバイキングに行く、通常外資系のホテルに行くと、西洋人が多いが、ほと

んど目にふれない、多分広州は観光都市でないからかも知れない、昨日からの油濃さが

残っていた、ヤキソバ・野菜の炒めた物・麺を食べたが油濃くいやになった。一番おいし

かったのは、炊いたご飯に漬け物らしき物をのせ食べたのがさっぱりして良かった。

 

 

[中山記念堂]

午前11時30分頃、昨日と違う、日本語ができる運転手付きのワゴン車がきて、広州市

内を息子夫婦と一緒に市内見物をする

最初は中山(ちゅうざん)記念堂だ、中山は孫文のペンネームで、中国では「中国革命の

父」といわれ有名な三民主義を唱え、2000年にわたる皇帝制度をくつがえし、アジア

最初の共和国中華民国を誕生させた。この事を記念して造られた建物で、同一名のものも

台湾にもあった、中は舞台もあり広い講演会場になっている。毛沢東はじめ歴代の中国の

首脳が訪ねてきているので、中国の思想の原点となった場所だったと思われる。

 

[陳氏書院]

2番目にむかったのが陳氏(ちんし)書院で広東省一の権勢をほこった名家の祖先を祀る

場所であったが清朝末期の1890年に広州72県の陳姓の人々が金を出し合い完成させ

た。現在でも建物及び屋根上の彫刻・絵画・陶器などの美術工芸など見応えのあるものが

多いが、あまり美的感覚がないのでよく分からない。

 

 

屋根の彫刻

 

 

 

[沙面(さめん)]

3番目に向かったのが沙面で、大きな河に面した小島で明(清の前の時代 日本の室町時

代)に外国商船が入港する時の埠頭(日本の出島みたいなもの)でアヘン戦争の時は守備

隊の陣地になり、1861年からイギリス・フランスの租界地になったため、今でも洋館

が残り、道路の両脇には並木が続き、他の広州市内と景観が異なっている。

 

<租界地>

    外国人居留地で、中国政府および個人から「永借」した土地、外国人はそこ

に居住し貿易をするだけでなく、一般行政権も把握した。

 

観光客は少ないが日本で言うと横浜的な雰囲気を持った所である。ここの一角に喫茶店ス

ターバックスを見つける、建物は周りの環境にマッチして違和感がない、中に入りメニュ

ーを見ると日本の値段と同じである、入っている人も中国人が多い、道路に横付けされた

車をみると1千万円前後の車が多数ある、ここは中国の富裕層のたまり場かも知れない。

 

[六よう寺]

次に行ったのは六よう寺(りくようじ)である、広州の四大仏教寺院の一つで、今回の旅

で一番楽しみにしていた場所だ、それは高い塔があり、そこを登ることができ、広州の街

並みが見えると観光案内書に書いてあった、入場料10元を払い中に入る、やっぱり塔は

立派で高さ57メートルで、宋代(約1000年前)に建てられた9層になっていた、塔

の上に登ろうとしたが通行禁止なっていたので断念した。

 

本堂には大仏が3つ並んで鎮座していたが、顔を見ると日本の仏さまの顔にそっくりであ

る、本堂の右の建物にもう一つの仏さまがあった、それは1987年にタイから寄贈され

たであった、昔からタイの影響を、この寺は受け手いたのかもしれない。よく調べてみる

と、この寺は西暦537年に建てられたと記されている、これは聖徳太子が活躍した西暦

600年以前に造られたことになるかなり古いお寺であることがわかった。

 

 

 

 

 

 

またこの寺の特徴として、長いお線香を手でもち、東西南北に頭を下げ祈っている人が大

勢いて、あまり真剣なので、こちらも雰囲気にのまれ敬う気持ちになってしまう、日本の

寺で日本人が祈る時と違い非常に覇気を感じる何を祈っているのか聞きたい気持ちだ。

 

[広東料理屋]

夕食は広東料理だ、今回は個室をとってくれた、日本での高級中華料理屋と同じように、

真ん中に回転テーブルがあり、各自に箸が2組ずつ置かれていた、一つは自分で食べる時

もう一つは回転テーブルから取る時に使うものだ、味は昨日ほど油濃くないが、油濃いの

に食欲が負けている。また、料理を出すとき気がついたのですが、料理をする人・料理を

運ぶ人・料理を配膳する人に分けられていた、変な身分制度があるのかもしれない、帰り

に買い物に行く。

 

[市内散歩]

行き先は広東料理屋から15分くらい、日本で明治屋クラスの有名店、お客は少ないが店

員は多数、一人の客に店員が4から5人集まる、ここは電気製品・化粧品・洋服・食料品

(寿司もあり)等が売られていた。食料品売り場で 紙クズが通路に落ちていたのでどう

するか見ていたが、店員が足で紙クズをひっぱっていていき、目に見えない所にけっ飛ば

して入れていた、まだサービスでも途上国かもしれない。

                          ―――前編 END――

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