夏油(げとう)温泉の旅  天笠 富夫  09.11.21   

 

―――――――――――――――は じ め に――――――――――――――――――

バスツアー案内の中に、3泊4日で秘湯の温泉「夏油の旅」があり目についた、場所の予備知識はないが何となく秘湯に興味がわき、内容は分からないが温泉と自然があればどこでも良いと思い3名で申し込んだ。調べていくと場所は岩手県北上市の山の中にあった、北上市には15年ほど前、同じ会社に勤めていたIさんが地元(北上市)に戻っているはずだと思い連絡をとり、夏油温泉の旅館で会う約束をした。

 

――――――――――――――新宿〜夏油温泉(1日目)――――――――――――――

バスツアーは新宿午前8時10分発で、乗客は70歳すぎの人が多く、東北自動車道を7時間走り北上市に入る、ここから1時間山道を登っていく、途中の瀬美温泉で更に道が細くなるため、旅館の迎えの車に乗り換えて、やっと午後4時に夏油温泉に入る、バスで8時間も乗ると、かなり疲れる。

 

夏油温泉には4つの旅館があり、今回利用する元湯・夏油旅館はこの中で一番大きく7つの温泉を持ち自炊もできる湯治場もあり、夏を中心にかなり混むようである。初日は早速内湯の風呂に入り囲碁を開始する。

 

―――――――――――――――夏油温泉(2日目)――――――――――――――――

2日目はあいにく朝から小雨、Iさんと夏油で会う約束をした日だ、旅館のフロントに友人が来たら部屋に通してほしいと依頼しておいたら午前10時30分頃勤め先を休んでIさんが来てくれた、顔を見ると60歳も過ぎているのに、頭の髪の毛も黒々として40代後半から50代前半に見える、昔(15年前)と少しも変わっていない、本人の話によると、N社の関連会社の自動販売機を扱っている会社に勤めているとの事、

 

 60歳を過ぎると仕事の内容は同じであるが、いずこも同じように給料は下げさせられたと言っていた。子供は3人で東京周辺2名・ハワイに1名いるそうだ、立派なものだ。趣味としてめざしているもの、日本100名山の登頂を目指している、今現在62まで登頂している、挑戦する気持ちがすばらしい、100名山達成したら他の仲間もよんで、東京との中間地点の裏磐梯で祝賀会をやろうと約束した。

 

旅の同行者KさんとIさんは一緒に仕事をしていた仲である、昔の会社の者の話がでるが、残念な事にXXは体をこわしたXXは亡くなった等の話が多い。ともかく一緒に風呂に入り囲碁をし、近況を話したりしたが話はつきなかったが、だんだん暗くなって山道は危険なためIさんは帰っていった、それぞれ自分達の若かった時代を思い出し、実にさわやかな再会であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――夏油温泉(3日目)―――――――――――――――

3日目は、天気は雲ひとつなく非常に天気が良い、最初は夏油三山の比較的軽い山を登ろうと思っていたが、最近山での事故が多発しているため、旅行会社から事故を恐れ、自宅に電話が2回もかかってきて、登山だけはやめてほしいと言われていたため山登りはやめて、路線バス(1日2本)に乗って東北線の北上駅に行く事にした。バスは9時50分発で時間があるため、旅館の周りを散策する。

 

旅館からもらった地図によると見所は天狗岩と・洞窟蒸し風呂がある、天狗岩はブナ林の中の登山道を登り、夏油三山の登山道の分岐点から反対の方向の夏油川に沿った所にある、その岩は石灰岩でできているが、天狗のイメージにほど遠く感じた、どちらかというと映画のスターウォーズに出てくる人物のカブトに似ている、又昔はその天狗岩の上に温泉が出て入ったそうだか今は立ち入りが禁止されている、同じ道を戻り旅館に出る。

 

洞窟蒸し風呂は旅館より夏油川を越え、別の沢を少し登ったところにある、そこは岩壁に岩を掘り抜いた中より温泉の蒸気がでて、蒸し風呂のようになり最近まで使われていたようだか、入浴は禁止されている。(理由は不明)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――北上市〜夏油温泉〜東京(3〜4日目)――――――――――

バスの発車時間に近づいたので停留場へ行く、立派な第三セクターが経営しているスキー場・瀬美温泉を経由してJRの北上駅に着く、ここから見る場所を決めていないので、すぐに観光案内所に入り、見所を聞いた、駅からバスで15分くらいのところにある展勝地公園を勧められたので行く事にした。

 

展勝地公園は北上川のそばにあり、北上川は湖のように水量が多くゆったり流れている、土手には桜の木が植えられていて、葉がなぜか赤く紅葉してきれいである。(普通は桜の葉は落ちてしまうか、緑と黄色の葉を残す) 川の岸には船着き場があり、昔北上川に往来した実物大の和船が飾ってあり、太平洋側の石巻港まで下り2日、登り10日で物資などの往来をしていたそうだ、(川の登りは人力で引っ張り船を上流まで移動させたという)

 

 

 

 

 

 

 

 

 公園内にはサトウハチロー記念館・みちのく民族館・北上市立博物館・レストハウスなどがある、レストハウスで昼食後に、みちのく民族館の中に北上市立博物館があり入り口には80歳近くの男性が案内させて下さいといってきた、多分ボランティアのガイドではないかと思われる、案内をお願いすると、帰りの時間を聞いてきた、これはどの位のペースで説明するかの目安をつくるためであろう、1時間ぐらいで依頼した、

 

博物館の中にはいると北上市の歴史展示・自然科学展示・地質展示に分かけて展示されていた、古代から現代にいたるまで北上が展示されていた、展示物もよく集められ、ガイドの人よく知っているのには感心した、唯撮影禁止のため写真がとれなかったのが残念だ、みちのく民族館は、古代から明治時代の家が飾られていて、生活の営みがよくわかる、今まで見た民家園と比べると場所が広くゆったりとられているため、家を中心とする景観がすばらしい。ガイドの人がいろいろ説明してもらうのですが、北上の歴史がよくわからず、

 

 

 

 

 

 

 

 

 なかなか理解は難しい、ただ北上で昔から人が住み、どのように人々が生活していたのが、非常によくわかる博物館です。ガイドの人も帰りのバスの時間を気にして説明してくれた、時間がなくて残念そうですが、時間がなくて全然みられなかった所もあったがバスに乗り駅に戻り最終の路線バスで旅館に戻り翌日に東京に帰った。

 

――――――――――――――――おわりに――――――――――――――――――――

北上市の歴史は古いが、あまり有名な人が輩出されていないみたいです、北上の市内で接した人、夏油温泉で接した人、地元の人は、みんな素朴で実直で非常に好感がもてて、気持ちが安らぐ人々でした、これは北上の大地がそうさせたように思われます。今回は温泉の事はあまり触れていませんが、別の機会に温泉を中心に書いてみたいと思っています。

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