斑尾(まだらお)の旅 2008.12 |
――――――――――――――――はじめに―――――――――――――――――――― 今回の旅は、時期は11月で2泊3日を想定していた、場所も志賀高原・水上・斑尾から 選択してもらったら、一度も行った事のない斑尾が良いとのこと、時期を調整したら、結果 的に12月になった、ツアーの宿泊数も3泊4日であったが反対者いないため行くことに した。 斑尾の場所が良くわからないので、地図で調べてみると、長野県であるが新潟県に接して いて高さ1、000メートル位の場所で真冬はスキー場である。紅葉も終わり近くには見 たいと思われるものは見つからないが、ともかく4人で現地に行って面白いところを捜す 事にした。
―――――――――――――――1日目(新宿〜斑尾)――――――――――――――― このバスツアーは事前に一人での参加も可能で、部屋も相部屋でなく一部屋を提供する 旨の説明があったが4人一部屋にした。午前8時40分新宿でバスに乗ると、乗客はほと んど70歳過ぎの人だ、12月なのに目的もはっきりしなくて宿泊数が比較的長い旅にな ぜかバスは一杯であった。
斑尾に近づくと、売店で蕎麦・長イモ・リンゴなどが目に付きはじめた、午後1時30分 斑尾山の麓に入ると、ホテル・ペンション・人の気配のない分譲マンションが建てられて いる、宿泊先のホテルに到着すると明日から天気が崩れるとの事なので、ホテルの近くで 景色がよい場所を捜しながら、周りを歩いた。
斑尾山・妙高山がよく見える、斑尾山は雪があるがゲレンデは滑っている人はいない、妙 高山はゴツゴツした山肌に雪が被っているのがよく見え晴れていて非常に気持ちが良い、 ホテルに戻り明日の観光のために路線バスを捜す、斑尾高原ホテルの脇から飯山市行きの 路線バスを見つけた、1日4往復午前9時20分の便で飯山市に行く事に決めた。 斑尾山 妙高山 ―――――――――――――2日目(飯山市・寺巡り)――――――――――――――― 天気予報によると午前中は曇り、午後雨との事でありホテルで傘を借り、予定通り午前9 時20分発の飯山市行きの路線バスに乗る、終点の飯山駅(飯山線)に着いたら、すぐに、 駅前の観光センターに行った。観光センターに入っていくと60歳近い女性がいたが、客 が来ないので時間をもて余しているようで、声をかけてやっと対応してくれた、市内の見 所を聞くとパンフレットと地図を出して詳しく説明してくれた、それによると飯山市は 「雪国の小京都」と言われ小さな町に20以上の寺がある城下町であった、正受庵(せい じゅあん)と飯山城址を勧められた、ともかく勧めに従って行動するようにした。
正受庵は飯山線の踏切を越した小高い丘の上にあり、途中に西敬寺(さいきょうじ)の茅 葺き屋根の山門を見ながら、正受庵に行くはこの地では名僧の正受が厳しい修行した場所 で白砂の庭に面してひっそりしている、案内板にはしゃれた句がかざられていた。 正受庵1 正受庵2 <参考>名僧 正受について、 松代藩藩主 真田信之(幸村の兄)の子で飯山城主の松平家に預けられていた。 幸村は豊臣方につき徳川方を悩ませた武将。
ここより「寺巡り散歩道」経由して飯山城址に向かう、「寺巡り散歩道」は400メートル 位の道にお寺が10ケ所もあり、なぜか散歩道の両側には仏壇屋が軒を並べていた、店の 中を見ると洋服ダンスぐらいの大きさの仏壇が店内に20台ぐらい並んで販売している、
寺が多くてもこんなに仏壇が売れるのか不思議である。街並みを見ると、面白いことに 豪雪地帯らしく東京では三色の交通信号が横並びなのに縦並びについていた。「寺巡り散 歩道」には、沢山の寺が面していたが、その一つの称念寺に立ち寄る、山門をくぐると樹 寺巡り散歩道 称念寺 木に雪対策で養生の作業をしていた、作業している人に聞いたところ毎年2〜3メートル の雪が積もるそうだ、そしてこの作業者は、この寺は「かえで」がきれいな場所だ、秋に 来ると良いと教えてくれた。
―――――――――――――2日目(飯山市・飯山城址)―――――――――――――― 称念寺から「寺巡り散歩道」を横切り、坂を上がっていくと飯山城址である、飯山城は上 杉謙信が武田信玄と戦うために川中島合戦の拠点に築いた、12年間の合戦で武田信玄が 一度も落とせなかったという、だが現在残っているのは石垣だけだ。
石垣を左に見て、白の塗装がはがれた鉄製の鳥居の下の階段を上がると神社があり、神社 に近づくと大きな銀杏(いちょう)の樹があり、強い臭いを発していた、それは銀杏の実 ギンナンがいたるところに落ちていたためである、また神社の裏側には千曲川(下流では 信濃川)が流れており、あまり観光掲示板がなくてさっぱりして良い。 飯山城址1 飯山城址2 時間は午前11時、雨が降りそうなので午後12時10分のバスでホテルに帰ろうと決め 飯山城址内にある「城山お休み処」に入る、他に客もいないし従業員も店主しかいない、 席に座るとさっそく、40歳前の体格のいい店主が熱いそばつゆを出してきた、体が冷え ていたせいかとても美味しい。
店主にギンナンの話を聞いた、ここではギンナンは珍しくないので拾う人は少ないとの事 でした、落ち着いて席の前を見ると、和紙で作った額に「子供のころ、僕は泥棒だった」 という詩が飾られていた、書体も、額も文章も凝っていて感心をした、作った人は作曲家 の夫婦だそうだ、(感心のある方は写真を拡大して見て下さい) 城山お休み処1 城山お休み処2 また店主の話では東京の神楽坂にも店があり、こちらが地元なのでこちらに来ている等の 話をしていた。昼食として、注文したのは、そばと名物の笹ずしとビールを注文したら、 ビールにはおしんこ、そしてケンチン汁、最後にコーヒーをサービスしてくれた本当に頭 が下がります、
店を出ると、とうとう雨が本格的に降り始め予定通りのバスでホテルに帰った。
――――――――――――3日目(ミステリーツアー前半)――――――――――――― 天気が良ければ、斑尾山に登ろうとしたが、雪があるためカンジキ等の準備が必要だとい われ断念した天気は一応曇りであるので、ホテルの主催する有料のミステリーツアーに参 加した、コースは不明、斑尾の近くを車で回って終わりだと勝手に解釈をしてあまり期待 もしていなかった。
午前9時参加者は9名、ガイド兼運転手が1名でバスは出発した、案内者はよくテレビで 食べ物を食べるシーンででてくる、太っているコメディアンの石塚XXに似ている、本人 が言うには普通の観光では行かない所に案内します、そのためにホテルから案内できる場 所を捜して回ったとの事でした。
最初に案内されたのは関山神社(新潟県)である、一度も聞いた事がない後で調べたら妙 高山を霊山場として仰ぐ修験道場として繁栄している、火祭りなどには朝鮮に影響受けた 演武などが引き継がれているという、確かに他の神社と少し変わっている。(勉強不足の ためうまく説明はできない) 関山神社 ゑしんの里記念館 次ぎにゑしん(恵信)の里記念館に案内された、恵信とは何者か全然わからなかったが、記 念館に入って親鸞(しんらん)聖人と結婚した人だとわかった、恵信は京都より越後に配流 され7年後関東で20年生活し70歳を過ぎて越後に帰り、87歳で生涯を閉じたという、
浄土真宗(親鸞の宗派)から支援を受けているのかもしれないがともかく庭を含めた記念館 は立派である、ゑしんの里記念館の案内の30歳ぐらいの女性に、なぜこの場所にゑしんの 里が建てられたのかを聞いたところ、そのぐらいわからないのですかというような顔して説 明してくれた、
ここは恵信が余生を過ごした場所だそうです、いきなり連れてこられも分からないですね。
――――――――――――3日目(ミステリーツアー後半)――――――――――――― 昼食場所として「道の駅あらい」に案内された、ビジネスホテル・土産の販売・魚の販売・ 寿司屋・ラーメン屋・蕎麦屋他に飲食店かあり非常ににぎやかな場所である、ここに魚貝 類の販売として日本海鮮魚センターという店があった、入り口に左はイカの薫製、右にワ
カメが非常に安く売られていた、(通常の1/2〜1/3の価格)だが、入り口においてあ るものは、あまり売れていない、よく見ると中国産である、安くても信頼感のない食べ物 は売れない。
次ぎに連れて行かれたのは、上越市(旧直江津市)の春日山神社である、ここは上杉謙信 の居城があり一度ゆっくりきてみたいところであった。今回は神社だけで春日山城の方は 見る事ができなかった下見の気分で見ていると満足した、その後途中に親鸞に関する史跡 春日山神社1 春日山神社2 もあった(説明省略)が直江津の海岸に案内してくれた、冬の日本海(直江津)はいつみ ても白波がたち荒れて寂しい感じがする、今回のツアーで日本海側にくると思わなかった、 本当に感激した。 直江津の海 五智国分寺 海岸から離れて五智国分寺に案内してくれた、これは歴史の流れを別にして、ともかく景 観がいい、見ているだけで満足させられた。最後に案内してくれたのは野尻湖である、し かも山道を湖に沿って細い山道を半周し、ガイドが一番景色の良いと思われる場所を案内
してくれた、これは普通の人は来られないガイドに感謝をしたい、しかも時間は日没時だ、 だが少し雲が多く陽がはっきりしないのが残念だったがそれでも景色は良い、それから一 路ホテルに戻り、ミステリーツアーは終わった。 野尻湖1 野尻湖2 ―――――――――――4日目(ホテル・大池)―――――――――――――――――― 最終日、午後よりバスが迎えにくるとのこと、天気は良い、近い所で見ていない所を中心 に見ることにした、まずホテルの売り物の洞窟風呂、景観は良いが洞窟というよりセメン トで固めて屋根を造ったものだ、洞窟というイメージは感じないが不思議とここに入ると 落ち着く。 洞窟風呂 大池 時間があるので、ホテルより40分ぐらいのところにある大池にいく、大池は農業用水に なって使われていて、斑尾山の雪解け水などを集めている。静かでよい場所で山の景色も 良い、まだ時間に余裕があるので斑尾高原絵本美術館に行く、着いて建物を見ると休館に
なっていて開くのは木曜〜日曜 午後6時から9時と張り紙がしてある、個人で開いてい るらしいが迷惑な美術館だ、知らない人がそんな時間に訪れるとは考えづらい、ホテルに 戻ると、迎えのバス来る時間になり、この旅はおわった。
―――――――――――――――おわりに――――――――――――――――――――― 気になった事は、自分も歳をとったせいかもしれないが、年輩者の一人旅だ、このツアー は一人旅の人を歓迎しているせいか多かった、中には他の人と話すわけてもなく、食堂で も一人黙々と食べている人、一人で部屋に閉じこもっている人等もいる、何を期待して旅 に来たのだろう、何か寂しい気がします。
旅の方は、最初はあまり期待していない旅であったが、見応えのある旅になった、飯山市 で寺巡り、いくつも寺は見ていないが、一つ一つ味わい深かった、「城山お休み処」の店 主にサービスをしてもらったが、旅でしか味わえない会話も楽しかった。最高に良かった
のは、ミステリーツアーだ、観光場所として行った事がないところに案内してもらった、 ゑしんの里記念館を通し僧侶で始めて妻帯した親鸞と春日山神社では城と上杉謙信にスポッ ト当てて、再度人と歴史を追いかける旅をしてみたい。またガイドの観光場所捜しの情熱
に頭が下がる、採算は別として、季節を考えたり・歴史を追いかけたり・自然を楽しんだ り観光客の喜ぶ場所の開発し連れて行く仕事は客の反応も見られ、大変だが面白そうだ、 ともかく楽しい旅でした。 ―――END―――― |