蔵王の旅

                                               天笠富夫

――――――――――――――――はじめに――――――――――――――――――――

今回の旅は、四国八十八カ所の旅(1〜23カ所の札所巡り)の予定でしたが、6月20日

主催者の阪急交通社より、参加者が少ないので7月12日出発のツアーは中止すると連絡

があった。

 

休暇の手続きがされているため出発日を変えないで、仲間に再度、希望地を募ったところ、

東北新幹線で仙台の一つ手前に転勤している、Oさんに会いがてら旅行をするこにし、仙

台から地震の影響を受けていない温泉地を捜し蔵王温泉に泊まるツアーを選んだ。

 

申込後、Oさんに連絡すると、当日は東京へ出張との事であった、最初から行き違いの多

かった、ツアーの内容は東京駅より、東北新幹線を利用し仙台に行き、仙台より旅館の車が

迎えに来て、蔵王温泉に泊まる(帰りの道順も同様)3泊4日の旅です。

 

――――――――――――――東京〜仙台〜蔵王温泉――――――――――――――――

男三人で旅が始まった、東京駅よりMAXやまびこ207号2階建ての列車に初めて乗る。

ツアーの費用が安いせいか1階の席になった、走行中は線路の壁がじゃまになり、景色は

見えず、駅に停車すると人の足しか見えない、まったく1階席は景観が期待できない。

 

それでも仙台に着き、旅館の迎えのバスが来た、同乗者は、夫婦・親子づれ・一人で来てい

る者が目に付いたが、だいたい私達より年配者が多く、男だけで来ている者はいなかった。

仙台からバスで2時間やっと蔵王温泉の宿泊地ルーセントタカミヤ旅館に着いた、旅館と

 

して大きいが、外観を見ると古ぼけた建物で何の特徴もない、あまり期待しないで入った、

客室を見ると全部建て直されていて、非常に良い部屋であった。この感覚は面白い都会で

は入り口がきれいで中味がないのに逆になっている、もう少し入り口を整備したほうが

良いと思われる。

 

―――――――――――――――蔵王温泉・初日――――――――――――――――――

蔵王はお釜を見に、40年前に蔵王温泉から徒歩で登ったからことがあり、山寺や銀山

温泉に行った時もバスで案内されたことがあるが、蔵王温泉を落ち着いて見たことがなか

った。

 

ともかく部屋に入り、落ち着いてから風呂に行く酸性の硫黄を含んだ乳白色の湯でありす

べすべして気持ちが良い、明日は天気予報では、雨の確率50%梅雨時だからしょうがない。

 

―――――――――――――蔵王温泉・2日目(山頂散策)―――――――――――――

朝から雨が降っていないが空はどんよりしている、朝9時30分温泉駅より蔵王中央ロ

ープウェイに乗り鳥兜駅(トリカブト)に行く、山頂の駅に行って周りを見るといつ雨が

降ってもおかしくない状態のため、別のケーブル駅中央高原へ最短に行けるようにコース

を設定し歩き始めた。

             

道はよく整備されていて、そこらじゆぅに今は動いていないがスキー用のリフトがあった

30分も歩くとドッコ沼だ、人はだれもいないで静かだ、空は少し明るくなってきたので

少し奥の方にある不動の滝を見にいくことにした、不動の滝への道は山道だ、ブナ林の林

     

の中をウグイスの声を聞きながら沢に沿って歩く本当に気持ちが良い、30分も歩くと

不動の滝だ、不動の滝は特に感激もしないが見応えはある、滝の近くには別の登山のグル

ープがきていて写真をとっていた、

 

不動の滝より同じ道を戻り中央高原駅に行く、ここよりスカイケーブルで麓へ下りる

道とケーブルの保守用のアスファルトの道を歩いて下りるルートがあつたので、歩いて

下る道を選択した、歩いて行くと野草が一面に咲いていてきれいだ、道は舗装されてい

て歩き易いように思えるのだが、同じ部分の筋肉を使っているせいか足が痛くなってきた、

弱くなったものだ。

 

―――――――――――――蔵王温泉・2日目(大露天風呂・温泉街)――――――――

旅館に戻り、旅館のバスで蔵王温泉の名勝地「大露天風呂」に連れて行ってもらい、帰りは

50分後に迎にきてもらうスケジュールだ、中に入ると脱衣所には有料ロッカー(100円)

があるが誰も施錠しないで、着替えて風呂に入る、確かに大露天風呂は名前のとおり本当に

大きい、湯は乳白色で底が見えない、

         

湯船の底は岩を適当に敷き詰めたため段差があり浴槽内歩きづらい、木や橋・川などが

見え気持ちが良い、ゆっくり湯を味わって風呂を出て帰りのバスに乗り旅館に戻ったが、

同乗していた奥さん(70歳位)が、主人が乗っていないと騒いでいた、運転手は人数

を確認して出発したそうだが 少し奥さんのボケを感じる。

(出発するとき騒げばいいのに、着いてから騒いでいる)

 

まだ時間に余裕があるので温泉街の散策に行った、温泉街で一番にぎやかな通り高湯通りを

行くと、突き当たった奥に酢川神社があり、この神社の鳥居から社(やしろ)までの階段に

沿って両側に灯籠があり、そこに一般公募から選ばれた川柳が貼ってあった、非常にユー

モアにとみ一つ一つ読みながら感心し楽しんだ、温泉街はみやげもの屋は開いていたが、

ほとんど客はいない、

 

夕食後、再度夜の温泉街にいったが、店がしまっているし、歩いている人もいない、開い

ている店に行き、お茶でも飲もうとしたが、もう閉店ですとの事、別の喫茶店を紹介され

た、ともかく温泉街としての活気はない。

 

―――――――――――――蔵王温泉・3日目(蔵王お釜)―――――――――――――

今日は昨日より天気が良く、旅館から昼食付きのツアーで蔵王のお釜を見に行く、旅館

より40分で刈田岳レストハウス(蔵王お釜の近く)に着き、下を見ると雲海が見え、お

釜のまわりを歩く、何度も見ているせいか感激はなかった。帰りは途中の猿倉にて昼食を

 

とる、まず釣り竿と餌が準備されていて、各自池よりニジマスを一匹ずつ釣り、それを焼

いてもらう、池に釣り竿をたらすとすぐ釣れる、餌を付けなくても釣れるのには驚く、

 

昼食はジンギスカン鍋だ、それにご飯とみそ汁と焼いたニジマスが一尾ずつつく、また

食べ過ぎペースになる、往復のバス代と昼食付きで2、200円の費用で、よく採算をと

っているのか不思議だ、昼食後宿に戻る。

 

―――――――――――――蔵王温泉・3・4日目(温泉街散策他)―――――――――

休憩後ルーセントタカミヤ旅館と同じグループの旅館「瑠璃倶楽リゾート」の風呂に入り

がてら、シギの谷地沼を散策する、一周30分ぐらいまわれる小さな沼で。緑の林と調和

して美しい、沼の周りにもうおそいが水芭蕉の群生がある、沼で釣りをやっている人に聞い

たところブラックバスがとれるそうだ。

                

「瑠璃倶楽リゾート」に寄る建物は非常にあか抜けており、あまりお客はいなかった、

風呂は研修所の風呂みたいで情緒もなにもなく、ここに泊まらなくて良かったと思った。

建物はまるで美術館みたいである、有名な建築家丹下健三(参考参照)が設計した、

 

前は自衛隊が使っていたがタカミヤグループが2年前に買い取ったそうです、また無駄な

公的資金で造ったのではないかと思われる。4日目は特に外出せずバスに乗り仙台を経由し

て東京に戻った。

 

<参考>

  丹下健三の主な作品  東京都庁・フジテレビ本社・国立競技場・広島平和記念館

 

――――――――――――――――おわりに―――――――――――――――――――――

残念なこと、白石のOさんに会いたかった、一番興味があったのは、単身赴任の憂さ晴

らしで買った50インチプラズマテレビを見たかった、どのような状態で設置かれて、

いるのか是非見たかった。(購入資金50万円はヘソクリで存在がわかり奥さんにとりあげ

られた。)

 

気になった事、80歳近くの男性で、一人でツアーに参加している人がいました、若い

人の一人旅は気にならないが、本当に旅が楽しいのか、家族・仲間がいないのか、良くわか

らない、幸い私たち、この4日間、食べたり・風呂にはいったり・囲碁をしたり・周りを

歩きまわり楽しんできた。

 

旅行中、Yさんの携帯電話のメールには奥さんから「よく遊びますね」と入っていたそう

です、めげずに、これからも健康に注意し、楽しく旅を続けたいものです。

 

<追記> 

酢川神社に掲示されている川柳を見て私も初めて一つ作りました。

(川柳になっているかわかりません)

試験には、

オイタは駄目だ、 

審議官

                          ―――――END―――――     

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