上高地の旅2007年9月 ――――――――――――――――はじめに―――――――――――――――――――― 北アルブスは針ノ木岳・白馬岳・立山などには行った事はあるが、北アルプスの有名な 山岳景勝地「上高地」は、いつでも行けるのではないかと勝手に思い込み一度も行った 事がなかった。 横切っている。東京は曇りがちの日が多く上高地あたりは天気にあまり期待できないと 思っていたが、予想されない事もあり楽しい旅になった。 ―――――――――――――――新宿から上高地――――――――――――――――― 行き方は新宿より中央本線を利用し、松本駅から松本電鉄線に乗換え終点新島々駅より、 バスで入るコースである。 新宿発午前8時のあずさ5号に乗るため、早く家を出て午前7時過ぎに新宿に着き駅 構内で、ゆっくりコーヒーを飲み時間調整をしていた。午前7時50分頃出発ホーム の間違えに気づき、駅員に聞くと5番線から発車するとの事、ところが5番線の表示 ホームの渋谷寄りに行き、更に下におりたところにあるそうだ、新宿駅にも地下のホーム ができているとは全然知らず驚いた。 列車は順調に進み甲府へはいると、曇りだった空が、ところどころに青空が見えるよう になり少し天気に望がでてきた。 ターに到着した。 上高地バスセンターに着くと、沢山の観光バスとタクシーが停車していてにぎやかだ、 ここで昼食をとり、芥川龍之介の小説で有名な河童橋まで歩きはじめる。河童橋に近づく と観光客と橋と山をバックに写真を撮っている人が多いが、人の出はまだ少なめだとの事 でした。 河童橋からの景色は明神岳・前穂高岳は見えるが奥穂高の山頂には雲がかかりよく見 えない。河童橋を渡らないで、あずさ川に沿って明神館に向かう、道は火山灰が敷き詰 められ、白い道の両側が林になっている単調な道で、時々明神岳は見えるが、山と川の 景色もあまり見られない。 明神池入り口にくる、明神池は外から見ると、ただ池があるだけに見え入場料をとるた め、入場しない人が多いが、せつかくだから見ることにした。 明神池は穂高神社の神域と言われ、一の池・二の池があり、池には鴨が泳いでおり、 山と木と池とのバランスがすばらしく、本当に神秘的な感じがする、明神池まで来 る機会があったら是非見て下さい、お薦めします。 明神池を出ると嘉門次小屋があり岩魚の塩焼きを焼いて食べさせていた、小屋には、 魚を焼いている煙がただよい非常に情緒がある。後で職場の者に聞くと味もおいしく 日本酒を飲みながら食べると本当に良いと言っていました。 明神池からは、あずさ川に沿って往きと反対側の道を歩く、林があったり、川があっ たり、山が見えたりして、歩くのには変化がありとても楽しい。 ――――――――――――――――宿泊先―――――――――――――――――――― やがて河童橋に着く、ここで今日の宿泊先五千尺ロッジにはいる。五千尺ロッジでは、 各施設の場所・食事の時間・風呂の時間・消灯の時間などこまごまと説明を受けたが 特に気になったのは消灯時間である、 環境省の指示により午後9時より玄関・ロビー・廊下の消灯との事でした。午前3時 に起きて部屋に備えつけられたトイレに行くと電気がつかない廊下を見ると、非常灯 はついている、ともかくテレビの脇においてあつた懐中電灯を使い明るくして用をた した。 環境省の指示はここまでするのかと疑問を感じた、それなら宿泊先は懐中電灯の所在 を最初からもっと説明する必要があると思っていたが。朝食のため食堂に行くと、まず 今現在停電中です、東京電力に連絡しても原因がわからず、「いつ復旧するかわかり ません」との事で過剰な節電理由がわかった。 朝食はバイキングだ、ともかく暗い照明の中で食べ物を選択するのも大雑把になる、電 気を使う保温物は出てこず、ましてコーヒーも保温に電気を使うから飲めず、比較的 明るい窓辺で食事をした、少し薄暗い中での食事もまた洒落たものである。 ―――――――――――2日目(田代池・大正池・帝国ホテル)―――――――――― 午前9時30分大正池の方向に歩く、天気は昨日より悪く曇りである、あずさ川に沿って カラマツの林の中を20分ほど行くとウェストン碑(北アルプスを初めて世界に紹介した 人)に出る、この先にある田代橋を渡り更に20分ほどいくと田代池だ、 田代池は霞沢岳の湧水でつくられている、観光客も多いが、山と林の景色に静寂さを感じ る。ここから同じく20分ほど行くと大正池だ、大正池は有名なせいか、何台ものバスが連なり、バス停より観光客が続々降りてくるが、大正池の景観は水が減り池も小さく なっているため、かえって明神池から戻る途中の川沿いのところの景色の方がきれいな 感じがする。 <参考> 大正池は大正4年に焼岳の火山活動あずさ川がせき止められて、できた池。 大正池から田代橋まで戻り帝国ホテルに向かう、やがて林の中に真っ赤な建物が見えて きた、帝国ホテルだ、やっぱり上高地一の風格がある、ここでコーヒーとケーキをとり、 休憩をして今回の旅は終わる。 ――――――――――――――――おわりに――――――――――――――――――― 上高地は世界遺産に登録されていないが、環境面で非常に気をつけている、歩いていて ゴミ一つ落ちていないゴミ持ち帰り運動が徹底している、この一環として他にあるかも しれないが夜間照明の制限・マイカー規制・トイレの有料化(100円)などに気が付いた。 なお、停電は私共が行く5日ほど前から、4日間かなり強い雨が降り地盤がゆるんだ ため、木が倒れ送電線ひっかかり停電になったそうだ。それにしても随分長い停電だ 2日目の11時40分頃解除されたようです、東京では半日の停電は考えられない。 ――上高地の旅 おわり――― ――――――――――――追記(幻の山)――――――――――――――――――― 最近、気になる想い出の場所が出てきましたので、忘れないうちに書きました。 世界遺産に指定された屋久島の宮之浦岳(1935メートル)の頂上付近に縄文杉 (樹齢2100年〜7200年と言われている)がある、これを見るためには、山頂に 宿泊設備がないため、うすら覚えですが往復15時間かかると言われていた。 この縄文杉を見るために勤務先のXさん(20歳代・女性)が登って写真をとって きてくれました、今でも往復10時間ほど歩く必要があります、Xさんは、運動歴 はあるが登山歴はなく、縄文杉を見るためにトレッキングシューズを買い、通勤時に 足慣らしする等準備をして登ってきました。 帰ってきて聞いたところ、トロッコがあった場所がきつかったそうです、Xさんの 若さと挑戦していくすばらしさに感激しております。 というのも、学生時代(何年前か忘れました)に鹿児島から船に乗って仲間と宮之浦岳 へ登ろうと、長崎経由で宮崎に来ました、当初予定していた屋久島行きに反対があり、 急遽九州一周旅行になってしまいました、宮之浦岳は若い時から気持ちにひっかかって いる場所です。 今現在、屋久島に行くことはあっても、縄文杉を見るために10時間も歩いて行く気力 も体力もなさそうです、ですから宮之浦岳(縄文杉)は私にとつて忘れられないまぼ ろしの場所になりそうです。 ――――おわり――――― |