安達太良山・二本松の旅
――――――――――――――――――はじめに―――――――――――――――――― 今回は、安達太良山の麓にある岳温泉(福島県二本松駅の近く)に2泊3日のバス・ツアーをしました。バスで宿泊地まで往復運んでくれ特に観光巡りもない自由行動の旅です、岳温泉といっても予備知識もなく・目的もなく温泉につかり、ホテルで囲碁でもして、近くを散策する予定でした。 新宿から出発し午後1時半には、宿泊場所「櫟平ホテル」に入る、ホテルは静かな鏡ケ池のそばにあり、近くには温泉神社に向かう坂の両側に旅館と「みやげもの屋」が連なって温泉街をつくっている。お客はほとんど入っていない、入っていても一つの店に一組ぐらいしかいない本当に閑静な場所であり、時々通る車は気にならないし、人の流れも全体にゆっくりながれている、最初の日は囲碁と風呂三昧でした。 ―――――――――――――――――安達太良山登山―――――――――――――― 2日目は安達太良山に登ろうとしたが、ケーブルを利用しても往復で3時間ぐらいかかり、しかもケーブルの乗り場のある奥岳はホテルより7km先とのこと、歩いて行くと山登りに耐えられそうもないので他の交通手段を使うようにした、路線バスは昨年廃止され、タクシーで行くか、ホテルの送り迎えのバスしかない。ホテルのバスは午前10時発で午後1時に奥岳に迎えにくるそうだが、山登りの時間を多くとるため行きは早めにタクシーで行き、帰りはホテルの迎えのバスに乗ることにした。 山頂に近づくにつれ木がなくなり草原になり、女性の乳房の型をした乳首という丘を見ながら登って行くと頂上分岐点だ、ここからは急勾配だ、同行のT氏などは、この急勾配を登るのを躊躇していたが、一緒にくついてゆっくり登り、鎖場では足の位置・足の置き方を指示したりして、なんとか頂上に着くことができた。T氏は頂上から携帯電話で自宅に電話をし、やっと着いた事を報告していた、本当に便利になったものだ。帰りは最短のケーブルを利用するために、行きと同じ道を歩いた、山頂の方を見ると、すこしガスってきた感じがするので早めにケーブル山頂駅へ向かい、ケーブルで奥岳に出て迎えのホテルのバスで帰った。後で聞いた話だが頂上では雨が降り始めたそうだ、本当に山の天気は変わりやすいものだ。 ―――――――――――――――――二本松駅へ―――――――――――――――――― 3日目は午後から帰りのバスが迎えにくるが、午前中の時間を使って路線バスで二本松駅に向かう、バスは地方の短大生だと思われる20〜30人の女性集団が乗っていて最初は座れなかったが、短大生?が席を譲ってくれたので3人とも席に座れたが、席を譲ってもらったのは初めてで、いろいろ考えさせられた。譲ってくれた女性達は東京出身の私どもと違いあまりセコセコしていない、まだ若い人達にも他人を思いやる優しい人がいるのだなあと感心した反面、いま現役で頑張っているのに席を譲られほどと年をとったのかなあと複雑な心境である。 ―――――――――――――――――二本松城・他――――――――――――――――― 二本松市は城下町で二本松城(10万700石)を中心に発達した、この城は、最初は畠山氏が治め、伊達政宗・蒲生氏郷・上杉景勝などが城代をおいて治めていたが、1643年寛永20年に丹羽光重が城主として来て以来、丹羽家の居城として10代・220年も続いた。戊辰戦争(幕府と官軍の戦争)に際して幕府軍に属して官軍に負けて、慶応4年(1868年)に落城し、城内はすべて焼失したという。町の雰囲気は静かで・高いビルもなく街並みの高さが統一され、和菓子屋・酒屋が目に付いたが、派手な店もなくコンビニ・パチンコ屋等目につかなかった。 二本松城は、国道より左に折れ歴史資料館のそばの坂道を登り、坂道を下ったところから見ることができる、林と真っ白な城壁と城壁に調和のとれた建物が見える、見事なものだ。城に入るには道を左に折れ箕輪門から入る、門の入り口には少年隊(12歳から17歳の若者で戊辰戦争に参加して戦死した)戦闘訓練の姿が顕彰碑となって飾ってあった。箕輪門を入り、近くで城壁を見ると、少しガツカリした。白壁できれいであるが歴史の重みを感じない、何か造り物の感じする、どちらかというと公園の感じのほうが強くなる、城の奥へどんどんすすんでいくと、さきほど坂道を下った所で見た建物があったが城壁に色彩を合わせた展示場であった。ここでは一ケ月さきの「菊まつりの」準備されていて、材木等が乱雑に置かれていたので、奥へいかず、諦めてその場で引き返し同じ道を通り二本松駅へ向かいホテルへ戻った。 ホテルに戻りしばらくすると、東京へ帰るバスが来たので乗った。途中で丹羽家の菩提寺である大隣寺に寄った、境内には少年隊16名の墓も祀られ、寺はきれいに清掃され手入れがよく行き届いて、裏山には代々の主君の墓を見た後一路東京に帰った。 ――――――――――――――――おわりに――――――――――――――――――― 安達太良山は、近くまで来たことがあったが頂上まで登ったのは初めてだ、たしかに百名山の一つといわれているように景色がよく楽しめ、近くに温泉も多いので本当にいい所です。 最後に、10月中旬に二本松城で行われる「菊まつり」は日本一だそうですので、興味ある方は是非行かれると良いと思います。 ――END―― 余談 歴史資料館から二本松城に行く途中にある、「福島県男女共生センター」という立派なビルがあったが、たぶん福祉に関わる施設だろうと思われるが、何かネーミングに本文の少年隊と同じように違和感を感じてしょうがない、これは二本松市の特性かもしれない。(男女共生が当たり前)。 |