五能線の旅(しらがみ山地を訪ねて)1泊2日

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五能線の旅(しらがみ山地を訪ねて)

  東京6:50――(秋田新幹線こまち1号)―― 11:04秋田――(五能線リゾートしらかみ3号)

  ――13:18十二湖14:30――(バスにて奥十二湖)――十二湖14:55――16:19鯵ケ沢                                                      (泊) 鯵ケ沢11:39――(リゾートしらかみ1号)――13:30青森15:44――(スパー白鳥24号)   

  ――16:43八戸16:55――(はやて24号)――20:08東京

  ―――――――――――――――――はじめに−―――――――――――――――――

世界自然遺産に認定された、ぶな林で有名な「しらがみ山地」を訪ねるために、日本海沿いで 「しらがみ山地」と平行して走るJR五能線に乗った、東京都内で乗っている交通機関と比べかなり違っており観光的であり・ローカル的であり乗って楽しいのでここに紹介します。

 

―――――――――――――――――列車の紹介―――――――――――――――――

五能線は日本海側の東能代と弘前の間を走っている。東京から行くには、秋田新幹線で秋田に行き一日に2本のしかない快速で入るのが便利だ(秋田から特急・急行もなく、普通しか走っていない)、

今回は、快速リゾートしらかみ3号 ブナに乗り秋田から入った。列車は全席指定で全席禁煙である、各車両は特徴があり、3両編成で1号車と3号車は大きな窓で、かなりゆったりした個人別の椅子席で前後に回転ができ。しかも先頭(1号車)と最後部(3号車)には、サロン席があり座席指定から除外されているため、自由に使い座れるようになっている。2号車はグループ利用に適している、テーブルを囲んでソファボックスがあり、ソファを崩すと床にソファの一部を敷いて和室のように座れるし、ひっくり返って寝ていたり、車座になって話もできる、またタバコを吸う人には喫煙室が別途もうけられ、その他車両の内部にも、いろいろ工夫がされている。

  ダイヤ(時刻表)は、「しんきろうダイヤ」といって、深浦駅まで行くと通りすぎた岩館駅まで戻りまた途中停車しながら深浦駅まで行く(つまり岩館駅から深浦駅間を一往復半運転される事になる)、その後正常な運行を開始する。これは列車の本数が少ないため、観光客が最初通った時降り、各自観光をして1時間30分後に同じ列車が迎えにくる観光本位のサービス列車だ。

  ―――――――――――――――――しらがみ山地―――――――――――――――――

乗車した列車は1号車だ、しかも乗客は3割程度しか乗っていない本当にゆったりしている。秋田を出ると車窓から見渡すかぎりの緑の平野があるこれが八郎潟干拓地。しばらく海岸線を見ながら進むと十二湖駅だ、十二湖駅は「しらがみ山地」に入るもっとも拓けた入り口で宿泊場所・しらがみ山地の山奥への案内人などが準備されている、また名前のとおり沢山の湖や池がある。

  十二湖駅を降りるとキップの改札もない、「しんきろうダイヤ」のせいであろう、(座席指定で客が観光後駅に戻ってくるため)

十二湖駅からバスで15分奥十二湖(挑戦館)に向かう、途中日本グランドキャニオンといわれる絶壁を見ながらすすむが下から見ているせいか迫力さを感じない、奥十二湖の停車場に到着する、道は非常に整備され山道という感じでなくどこか公園の道を歩いている感じである、

  左手の鶏頭場の池・右にブナ林に沿って10分くらい歩くと青池だ、青池は「しらがみ山地」の観光ポスターによく出てくる観光スポツト、よく見るとブナ林の中に小さな池があり、なぜか青い水をたたえている。じっとしていると静かな池の周りには鳥のさえずりが聞こえる、たしかに神秘的だ。以前来た人の話を聞くとこの青池のまわりはカエルだらけだったそうだ、時間があればもっと奥へ行き他の湖をみたいのだが列車の時刻に合わせるため諦めた。

  ―――――――――――――――列車内と千畳敷――――――――――――――――

バスで十二湖駅に戻り、さきほど降りた列車が迎えにきた、今夜の宿泊先鰺ケ沢に向かう、途中トンネルが5〜6カ所もあり、トンネル内を通過するたびに、車窓は暗くなり列車内の室内灯も間接照明に変わる、列車の天井には月を含む星空のイメージが映し出る、本当に面白い列車だ。

  やがて列車は千畳敷駅に停車すると車内放送で名勝「千畳敷」の案内をする放送がはいった。放送によると列車の停止時間が10分あり見物したい者は列車から降り見物してくださいとの事、しかも見物に行った者が戻れるように発車3分前に警笛がなり知らせるとの案内があった。

観光バスならわかるが列車で見物のための途中下車ができるような体験は初めてだ。早速列車をから出て駅をおり道路を渡り名勝「千畳敷」を見に行った。

  「千畳敷」は、入り口に青森出身の太宰治の文学碑や大きな奇岩等があり、海岸に沿って広い平な岩畳が続くちよつとした景観である。海に向かって行こうとしたが、時間が気になり、こんなところに取り残されたら大変なので、発車3分前に列車に戻る。また車掌もなれたものらしく車内巡回し、お客の乗り遅れを確認していた、本当にローカル線の旅だ。列車は定刻通りに発車して鰺ケ沢に向った。

  ――――――――――――――――――鰺ケ沢―――――――――――――――――

鰺ケ沢のホテルでの一番おいしいものは「しらがみ山地」でつくられた水であった、くせもなく湯上がりに冷えた水は、最高のごちそうである。翌日は青森に向かうが列車が午前11時30分までないので、フロントでどっか見るところがないか聞いたところ「海の駅」を紹介され翌朝車で送ってもらった。

  「海の駅」の一階は農家と漁師が品物を供給して販売している。二階は「鰺ケ沢相撲館」だ、まず一階からを見ていくと、取り立ての真っ黒なイカが25匹2000円が目についたが、荷物になるので買うのをやめておいた。

  農産物のコーナーは地元でとれた西瓜・瓜・ナス・キュウリ・トマト等がいくつかに分けて販売されていた、一つ感心したのはこの各農産物に生産地・生産者の名前と写真を一緒に掲示していた。

これにより買う人は誰々の造ったトマトがほしいとか選択ができ、造る人も張り合いができ良い意味での競争意識が働いて良いと思われる。

  2階の「「鰺ケ沢相撲館」は入場料無料、見に来ている人は70歳位の人が多い、ここでは地元出身の力士を紹介しているが、主に元小結の舞の海が中心だ、また館内は土俵がつくられ、相撲甚句が流れ、化粧回しはじめ記念品が掲示している。舞の海が引退後も、地元の英雄として扱われているかがわかる、たとえばビデオで連続に相撲の昔の取り組みを放映している、地元の人がじっと見ていたが、放映内容を見ると舞の海が強いの強いの、いつも舞の海がいつも勝っている、落ち着いてよく見ると勝った相撲しか放映していない。現役のころは地元の応援でもっと大変だったろうと思われる。駅に戻る途中に神社があった、そこをなにげなく見ると脇に土俵があった鰺ケ沢と相撲は本当に強い結びつきあるのだと、つくづく感心した。

  ―――――――――――――――帰りの列車内――――――――――――――――――

駅に戻り11時39分発快速リゾートしらかみ1号青池に乗る、そのとき鰺ケ沢駅から三味線を持った男女(70代男性・60代女性)二人が一緒に乗る、その二人が、サロン席にこしかけて津軽ジョンガラ節など(他の曲はわからない)を歌い演奏をし、さらにお客に調子をとらせ、声と合いの手をいれさせたので列車の中は和気あいあいだ、それが次の停車駅五所川原で二人が降りるまでつづいた、これもサービスだ! 地元の人の心意気を感じる、やがて列車は弘前をすぎ青森に入った、青森から乗り換え八戸経由で東京に帰った。

  ―――――――――――――――――おわりに―――――――――――――――――――

今回の旅は、「しらがみ山地」に行くのが目的であったが、どちらかというと五能線の旅を満喫してしまったので、題も「しらがみ山地」から「五能線の旅」に変更してしまった。「しらがみ山地」の本当の探訪は別の機会に譲りたい。家に帰り「しらがみの水」を飲みたくなり、「海の家」に電話をかけ取り寄せました。

  <参考>

世界遺産には、自然遺産と文化遺産があり、自然遺産として日本で3件(屋久島・知床・しらがみ山地)あるが、「しらがみ山地」は日本で最初に認定された。ここには世界最大級のブナ林があり、保存状態がよく、しかもこのブナ林の保水能力により各種動植物が共生が見られ、人間社会にも年間通して枯れることなく川となって水を提供している。

                                                  以上