山中城  18.10.15 天笠 富夫

 



 

 山中城は、標高580メートル、戦国時代末期、1560年代に小田原に本城をおいた

後北条が築城した、石垣を一切使用していない、土塁や空堀での城です、


 

1589年(天正17年)豊臣秀吉と不仲になったため、北条氏政は、山中城を

増築したが、増築未完成のまま、翌年1590年に4万の豊臣軍の攻撃を受け

防戦のかいもなく、鉄砲と圧倒的兵力の前に半日で落城したという。


 

城の位置は三島(伊豆)と現在の元箱根の間にあり、関西から見て、小田原へ行く

ための箱根経由の入り口にあり、山城の遺構が残っていて、現在日本100名城

の一つと数えられている。


 

  右上 西の丸   右中 北の丸    右下 本丸

                     中下 公園入り口

                     左下 岱崎(だいざき)出丸


 

早速、東海道本線で三島駅に行き、三島駅より一時間一本のバスに乗り30分で

やっと山中城跡に着いた。


 

現地で、地図を見ると、道路を越えて登って行く道には、岱崎(だいざき)出丸

があり、道路を越えないで登っていく道には、西の丸・北の丸・本丸・宗閑寺が

ある道があり、道路(国道一号線)を越えない道を選んで行く事にした。


 

入り口に広場があり、三の丸堀(水はない)に沿って登っていくと、田尻の池と

相井戸があり水があふれていた、ここより西の丸に向かうコースと宗閑寺へ行く

コースに分かれていた、寺の名前に興味があったので宗閑寺の方へ行った。


 

    宗閑寺

それは、以前に行った事のある、北条氏照が築城した八王子城にも、麓には宗閑寺

という寺があり、北条氏は、理由は分からないが、宗閑寺と言う名にこだわりが

あるみたいだ。


 

ここの宗閑寺は、手前には、公民館があり、寺には、住職がいないみたいで、戸が

閉まっていて、寺の名称も表示されていない。寺の脇には墓があり、掃除などの手入

れは良いが、墓の案内板はなかった。


 

  山中城将の墓

この墓には、北条軍の将(主将 松田康長)・副将(間宮康俊)・豊臣軍の一柳直美

の墓があるそうですが、残念な事に誰の墓か分からなかった。

 

ここより田尻の池に戻り、西の丸を目指し登る、西の丸には、内部に敵が侵入する

のを防ぐために、曲輪の周囲を掘で囲んである。


 

説明によると、山中城の堀には、水のない堀・水のある堀・柔らかい泥土の堀に

分けられ、堀に仕切りをして畝堀(うねぼり)・障子堀(しょうじぼり)を造った。


 

この畝は、高さ2メートルもの段差があるものもあり、ここに入ると身動きがとれ

なくなる、よく見ると、西の丸曲輪に入るには、9メートル近くよじ登らなけれ

ばならない造りになっていて攻めるのは大変そうだ。


 

<参考>

曲輪とは、城を構成する区画で、陣地や屋敷地などのような平場の事


 

当日、畝堀(うねぼり)・障子堀(しょうじぼり)を中心に、年輩の作業員が

除草などの手入れをしていた、作業員に聞くと、「西の丸曲輪からは、晴れた日

には、富士山がよくみえてきれい」だと言っていたが、雲が多く、富士山が

良く、見えなかった。


 

  畝堀


 

  障子堀(上から見ると障子に見える)


 

西の丸より、更に奥にある北の丸、本丸と続いている、それぞれ各丸のつなぎと

して橋でつながれ、いつでも橋をはずせるような構造になっていたらしい。


 

  橋(各丸のつなぎ)


 

北の丸・本丸は、構築物は無く、いまでは木が生い茂りあまり眺望は良くない。

(説明は割愛します。)


 

  山中城の石碑


 

その後、帰りのバスの時間に合わせ、岱崎(だいざき)出丸を見ないで三島に戻った。


 

後で考えてみると、山中城は、畝堀・障子堀など準備したにもかかわらず、なぜか

簡単に半日で落城したのか調べてみると、城の改修工事が終わっていない面もある


 

が、この城は1万人で守るように設計されていたようだが、4千人しか配置できず、

多数の豊臣勢の攻撃には耐えられなかったと言われている。


 

本当に城の歴史は、色々ありますね。


 

                        ――――END――――

<追記>

三島でJRに乗るとき、往きにも、帰りにもパスモで処理できず、

引っかかった、パスモの料金不足でもないので、原因が気になり、

駅員に聞いてみた。


 

それは、JR東日本から、JR東海にかわったため、駅員が介在して

料金の振り分けをするためだそうです、東京では私鉄の会社間で

相互乗り入れ、自動化をしているのに、JR間では自動化されていない。


 

旅は不便な事もあるが楽しいですね!

 

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