仕事の話し 2014.10.18 天笠 富夫 2001年(平成13年)1月より、銀行の子会社に出向が決まり、2004年11月 にこの子会社に転籍になり、以後社員5年・嘱託2年・アルバイトで3年勤めていて、 今年の11月で、完全に終了になる、亡くなった母親から「お前は不器用だと言われ て、いましたが」なんとか働き続けてこられホットしている。
銀行の仕事の内容は主にロビーの案内・ロビーの警備・庶務作業である。自分で考えてみ ると、「製造業からサービス業への変換」にかかわらず、良く勤めたものだ。当初は、銀行 は、違和感があった、朝一番「いらっしゃいませ・有り難うございます」の掛け声で始 まる。
色々な支店にも行った、沢山の人との出会いもあり、いやな事もあったが楽しい事もあ った。特にアルバイト時代、代務で色々な支店に行く、各支店共通事項もあるが、店に よりの特有のルールがあり、そこのルールに合わせるのが大変だ。
たとえば、簡単なATMの脇に置く現金袋一つとっても、裏を向けて並べるところ、取 り易いように上下ひっくり返して並べる所、並べる量にしても、多量に並べる所、少量 しか並べない所などがあり、袋の置き方だけでも8種類もあり大変だ、他の事を含める と沢山のルールがある。
また、仕事の仲間には、登山・海外旅行・カラオケ・畑の耕作等をして、人生を楽しん でいる人もいるが、中には、大手流通会社出身の出向者で、本体の営業成績が悪いた め、出向元から会社を辞めるか、出向先に転籍してほしいと言われ困っている人、
60歳過ぎたらみんなタダの人なのに、昔の自分の学歴・職歴をほこり、それを引き ずって、バカになれないで、嫌がられている人、
電力会社出身者で、原発事故の影響で企業年金が減らされガッカリしている人などいろ いろあり、現実は非常に厳しい面もある。
お客には、同じように案内をして、「有り難う」と感謝する人、「うるさいと」怒る人も いたりして、人それぞれである。中には、一人住まいのため、話す相手がいないので、 良く来る年寄りもいたりする。
また、母親と一緒に来る4歳ぐらいの男の子が、持っていた沢山の「ウルトラマンの人形」 から一つを分けて貰った事など、良い想い出だ、今でも記念品として残っている。
最近では、50歳くらいの女性がきて、「大学4年生の息子が、警備会社に就職を希望 しているのですが、どうでしょうか」と言われ、即答ができず困ったが、「警備要員 はオリンピックなどを控え、非常に人手不足ですが、いろんな仕事があり、一概に良 いとも悪いとも言えない」と答えた。
後で冷静に考えてみると、どんな仕事でも、夢みたいに楽しい仕事はないし、何を やっても良い点と悪い点がついて回っている。私の場合は、高齢者の仕事が無い時代 に、60歳からの勤め先としては、楽しい職場の仲間に恵まれ非常に幸運だったと思 っている、
大学生には、どうかを答えきれないし、こうすれば必ず良いとは言い切れない、どんな 環境でも、本人がやりたい事を生み出していけるかどうかに、答えがあるように思える。
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