愉快な囲碁の仲間達         2012.03.23  吉田 頼平

 私は小さな囲碁クラブに入会して一年が過ぎた。時間があればここに来て愉快な仲間の出会

を楽しんでいる、ここでは、上手な有段者クラスは対戦カードを利用して黙々と対戦している。

 

まず、将来有段者を目指す個性豊かな会員を紹介します、まず主役の西川さんチヨット若くは

ないが碁に対する情熱は誰にも負けない、碁歴は3年で棋力は8級、大きな屋敷に柴犬と一緒

に住んでいる。犬とは、長い間一緒に住んで心が通ってせいか相手の気持ちがわかるという、

外出する時心配そうな顔をするらしい。

 

犬は、「また碁に行くのかですか!」無視して家を出て帰って驚くのは部屋中散らかして疲れて

寝ている。西川さんの相棒が成田さん、数年前旦那さんを亡くして益々元気でシャンソンに朗

読に時間があれば碁にきて充実の毎日を過ごしている、碁歴10年棋力3級勝負に、こだわら

ない性格、動なら西川さん、静で対象的で気が会う二人である。女性の対局は対戦中ティタイ

ムが入り、お茶をのみながら菓子を食べ、おしゃべりに花を咲かせるのである。

 

また彼女は旦那さんが金をザクザク残したので高級養老院に入ると語る、養老院は、金持ち

が対象だから囲碁をはじめ、いろんなサークルがあり一切合切お嬢様扱いで夢のような生活ら

しい、我々にうらやましい限りであるが、人生の残りの生き方は誰にもわからないから悩みベス

トを選ぶのであろうが、愉快な仲間一同は心から淋しさを感じている。

 

第三の人(男)は、長谷川さん温和なおじいちゃん、この会で碁を覚えて棋力は6級くらい、いつ

も昔使ったカメラケースを肩にかけてやつてくる。一日に一度碁石を握らないと寝付けが悪いと

いうくらい碁にはまっている。

 

第4の人(男)は鶴田さんという人物、段持ちであるが上手な人との対局はせず、長谷川さんを

個人指導している、そのせいか長谷川さんが日々上達しているのである。西川さんは、碁のラ

イバルに先生がつきメキメキ上達しているために不公平だと言っていた。

 

第5の人(男)伊藤さんが現れて西川さんに集中的に教え始めたのである。実力も教え方も上

手であるが、プロ棋士が対局後よくやる並べ直しをしてこの時はこう打つべきだとか、この間教

えた様にとか言って解説が続くのである。

 

 

 

パソコンでも碁を何回同じこと習ってその場は理解してもすぐ忘れてしまう、我々は、かげて今

の西川さんの棋力では無理・無理と話すのである、しかし一般に習い事は、上手な人は下手な

人を避けので、あるが、彼らは親切丁寧に指導している姿に世の中には心の広い人がいると

頭が下がるのである。

 

 最後に登場する人(第6の人男)は、佐々さんである、おしゃべり大好き、誰よりもいろんな経

験の持ち主で雑学の博士である。おしゃべりさせたら時間がいくらあっても足らない、彼の話は

面白い、話にオチがあって落語の世界だ、そんな訳で私も落語に興味をもち創作落語を作って

しまった、彼を語るには紙面がいくらあっても足りないがいくつかの話を紹介します。

 

すべて現実離れし幻想の世界の人である。10年前胃ガンで末期状態で医者に見放され、そ

れから医師と薬は絶交だと今もトウトウと生きている、当然からだはスリム過ぎて誰もが金持ち

だと思わないが、実は金持ちだと言う、碁の会にきて彼に会うとまずお喋りから始まるのである。

 

私は碁が大好き何十年間打ち続けて今日に到っている。ただひたすら打てば満足していた、嫌

な相手には緊張して手が震える時もあったが、今愉快な仲間に接していると心に余裕ができ、

碁の本当の楽しみ方を教えてもらった気がしてならない。

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