9月21日の出会い 2011.11.09 天笠 富夫 9月21日の台風15号が関東に接近し風雨が強くなり、退社時間のPM5:00ま では動いていた電車が、東横線学芸大学の駅に行ったら、運転中止になっていた。今ま であまり経験がなかった自然災害で帰れなくなったのは、東北地震の時を含め今年で2 回目です、何か地球環境がおかしくなってきているのかもしれない。
駅では、駅員がバスで渋谷に出る迂回(うかい)を勧めていた、だが、ここからバス停 まで歩いて10分かかるし、風が強く雨が降っているためビシャビシャに濡れる覚悟が なければ、歩けない、またバス停に行っても満員で乗れるとは限らない等考えてバスで の迂回諦めた。
駅の周りを見回すと、駅前のビルの2階に、この駅では高級そうな喫茶店コロラドが目 についた、外側から見るとそれほど混んでないように見え、そこは、一度も行った事が 無いが、階段を登って店の入口に行ったら、2〜3組ほど待っている人がいたが、我慢 して5分ほど待っていると二人掛けの席に案内してくれた。
ともかくコーヒーを頼み、もっぱら本を読んでいたら、駅に電車が入り込んできて停車 し大勢の乗客が動き始めた、電車が動き始めたのかなあと勝手な解釈していたら、隣で 一生懸命パズルゲームをしていた60歳くらい人が、席を外し店から出て駅の様子を見 てきた。その人の話によると、「電車の乗客をすべて駅におろし電車をすべて空っぽにし た」と言っていた。
「また駅の改札口は電車が動くのを待っている人が沢山いる」との話しであった。しば らくしているうちにお腹が空いてきたのでサンドイツチを頼み食べた、隣を見るとそん なに夢中になるほど面白いのか、相変わらずパズルゲームをやっていた、またその脇で は、知らない同士で自己紹介を仕合話し会う人などがいて、非常に喫茶店の中がにぎや かだ。
そのうち喫茶店の外で待っているお客が多くなってきたので、相席でよろしいですかと 店員に聞きれたので、どうぞと答えると、65歳くらいの男性がきた、どうも先ほど駅 に着いた電車に乗っていたお客らしく、横浜方面に行きたいらしいが、電車が動かない ので困って六本木に住んでいる息子に電話をして、ここまで迎にきてもらうように頼ん でいた。
この人は、何をやっている人なのか分からないが、「地震の震災後、がれきの山の中に虫 が発生し、それを鳥が食べたりし、インフレエンザーが流行するから注意したほうがよ いですよ」と言われた、この人は何者だ(学者か医者かマスコミの人か)と考えていた が、相手の仕事を聞き出す前に、息子から迎えの車が近くまできたと連絡が入り、うれ しそうな顔をして喫茶店を出ていった。
いささか、本を読むのも飽きて、窓から外を見ると、風雨がおさまり、傘なしで人が動 いている、午後8時10分頃電車が通過し試運転を開始したみたいなので、動き出すの はそんなにかからないと思い、喫茶店を出て駅の改札口に向かった。
改札口で待っている人はそれほど多くない、多分近くの店に入り時間調整をしていると 思われる。午後8時30分頃駅構内の放送があり、プラツトフォームには、無改札で入 って下さいとの事でした、プラツトフォームに行くと、一つのドアーに4人程乗客が電 車を待っていた。
お互い知らない同士だが一緒に話しをした、普段は会話ができないような、40歳くら いの女性「今日は新橋で食事をする予定でしたが電車が動かず行けなかった」、70歳く らいの女性は、「電車が停まったので駅員の指示で、雨風が強い中ハス停までいったがバ スが来なかったので駅まで戻ってきた」等話しをしていた。
この台風の中で家に帰るため、どうやって帰るか各自考えながら、気持ちを落ち着ける ため、普段は見知らない同士での話しはしないが、お互い会話をしている、お互い気持 ちを慰め合える、日本人は本当に良い国民だなあと思い、東北地震でもこのようにお互 い励まし合っているのではないかと思った。
暫くすると、日比谷線の北千住行きの掲示のついた、東横線渋谷行きの電車がきた、車 内放送で「この電車は渋谷行きですと」と何度も放送していた、電車の掲示は途中で直 せないのかも知れない、そのため中目黒駅をすぎ代官山に入ると、車内の掲示盤は恵比 寿になっていた、(日比谷線で中目黒の次の駅は恵比寿)ともかく車内の表示と停まる駅 が違う電車は始めて乗った。
渋谷に着くと、大混雑お互い知り合った乗客同士、もう少し話しをしたかつたようです が「サヨナラ」と言ってそれぞれ別れた、(後で考えると、顔も思い出せないが)ともか く台風で、いろんな人と話ができ面白い体験でした。
渋谷からの乗り換えは、非常に混んでいたが3月11日の地震対応で駅係員・乗客も慣 れているらしく特別の混乱がなく乗り換えができ無事家にたどりつく事ができた。
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