家を建てる(建築業者選定編) 2010.11.26天笠 富夫

定年後は、大人しく楽しく過ごそうと思っていました、だが、「人生最後?」の闘争心

に火がつき、資金がないのにとうとう家を建ててしまいました、今回はその顛末(てん

まつ)を書きました。

 

昨年9月に母親が亡くなり、60坪の土地に古い建物が残された、場所は京王線S駅

から歩いて4分くらいのところにある、心情として親の土地を売却するのには、忍びが

たい、幸い弟が権利放棄をしてくれたので私と妹で相続をすることにした。

 

だがその土地には、建築40年以上前の木造の建物がたっており、手入れも悪く地震が

きたら倒壊するのではないかと心配していた。この土地に家を建てるには資金が必要だ、

妹からの借金と退職金をつぎ込み、不足分はローンを組めば良いと考えた、妻から老後を

どうするのかと攻められたが、次の世代に家(土地)を残したい意欲が勝ち家を建てるこ

とに決めた。

 

ローンを組むと言っても65歳になり、年金とたいした収入しかない者に、ローンが組め

るかどうかが心配であった、最初は、「息子とか娘の名前でローンを組まないといけない

かなあ」と考えていたが、それぞれ将来があり親の借金で拘束したくなかった、建築業者

に相談したらアパート等の家賃収入でローンの返済ができる場合は65歳以上でもロー

ンが組めるとの事で安心した。

 

早速建築業者に相談を持ちかけた、最初は近所に住んでいて大手家電メーカーの子会社

P社に勤めている人に声をかけ完成直前の家を見に連れて行ってもらった、営業マンも

大手の会社でゆったりし、近所関係のためあまり積極的に売り込みに来なかった。

 

妻と娘は私の旅行中に、京王線桜上水駅の近くにある住宅展示場に行き調べに行った、そ

の結果大手建築会社の子会社T社と中堅どころの建設会社M社が営業マンの対応が良かつ

たからどうかと言ってきた。翌週住宅展示場に行き両社の説明を受けた、土地の場所及び

建坪率(土地に対する建物の大きさの割合)及び容積率(土地に対する建物の広さの割合)

が調べてあり将来道路拡張が計画され余り大きな建物が建てられない事等の説明があった。

 

T社とM社は積極的提案してくるためP社は結果的に取り残されていった(大会社病かも

しれない)。説明を聞くとT社は鉄筋パネルを組み合わせて建て、M社は木造バネルを組み

合わせて造る、両方共に耐震基準はクリアーしていて、T社の方は鉄筋コンクリート扱い

で丈夫そうだが、何年か経って部屋の構成を変えようとすると難しいのと鉄筋コンクリー

ト扱いのため、建築基準法の制限を受け建物の広さが小さくなる、両社が建てた建物・

 

モデルハウスなどを見て、一長一短で、これで良いのか判断がつかなかった、また2社

だけの説明で結論を出すのには早すぎる気がしたので、近所で家を建て直した家があり、

そこの建築会社は化学素材メーカーの子会社H社であった、そこで設計プランを作って

提案してもらい、3社で比較検討を行うことになった。

 

建物の丈夫さはT社・H社・M社順、価格安さはM社・H社・T社順になり、広さはM社・

H社・T社順になる、建物の変更の柔軟性をみるとM社・H社・T社順になった。ここで

考えたのは、この変化の激しい時代に30年から40年先まで対応できる家が設計できる

かと言うことである、その点を考え堅牢さは落ちるが比較的改造の余地のあるM社の建

物に気持ちが傾きM社に決定した。

振り返って4社の営業マンをみると、P社は落ち着き過ぎて機会損失をしたように思わ

れる、最後に提案してもらったH社に関しては「現在2社で検討させてらっているが、

時間が足りないが提案してほしい」と依頼し詳細のところが詰まっていないが一応満足

した回答があつた。

 

T社は大手でソーラー発電の提案とかエコーを含めて提案されていたが、会社が大きく決

定をする折り組織の縦割り意識が強いため、部門間の調整が必要であり、決まるのに時間

がかかる、ちょうど度年末にさしかかった時、T社は社内の各部門の休暇を優先させた

ため結論が更に遅れてしまった。それにまた、T社の営業マンはほぼ自分のところに決

まったと思い手を抜き、お客の要求速度に合わせて提案できなかった、

 

それに反してM社は資金の借り先の紹介・返済方法及びメンテ費用等のシュ−ミレーショ

ンをしたりし、その上完成予想図をみせて提案してきて、スピードと対応力の差でM社に

決まった、ともかく営業は難しい。

                         ―――業者選定編END―――   

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