シャツターが気になる街・高岡        天笠 富夫

 富山(氷見・高岡)旅行で寄った高岡は、氷見線で氷見に行くには1時間ほど乗り換えの待ち時間があり、駅を出て高岡駅の周りを歩いてみる、駅前のロータリィは広く立派であるが、停車している車はあるがあまり車は動いていないし通行人もほとんどいない。

街の中のメイン通りにこれはという人を引きつける店はないので駅に接続された高岡ステーションビルに入る、中は暗く、地下と3階に飲食店街、1階は駅の改札口・観光案内所・待合室などがあり、2階は みやげ物屋があり、地下と3階は4割近くシャツターが締まり店もやっていない。

 

周りの人を見ると高校生は目につくが、後は50歳過ぎの年配者しかいない、この中間世代の人達はどこにいったのだろう、改札口の近くにマクドナルドはあったが喫茶店がまったくない、本当に地方は景気が悪いのかもしれないと思いながら氷見に向かった。

 

翌日氷見から高岡に戻り、高岡の国宝・瑞龍寺(ずいりゅうじ)・八丁道・前田利長公墓所を見学した後タクシーを呼んでもらい、高岡大仏に行ってもらった、途中大仏の話をするわけでもなく、昼食に良い場所はないかと聞いて返事がなく、みやげもの屋を聞くと高岡ステーションビルぐらいしか出て来ず、勉強不足か本当に紹介できるような場所がないの

 

か分からないがガッカリした、とりあえず高岡駅にタクシーをまわしてもらい昼食場所を自分達で捜しまわった、メイン通りを良くみると、3割ほどシャツターが閉じられ、開店している店でも人の気配がない、たまたま開いている寿司屋はショウウインドウにはほこりがかぶり、店員は外から見える所で新聞を広げていたので入るのをやめた。

 

四軒ほど先に行くと蕎麦屋があった、門構えからして昔からやっているみたいだ、但しお客は一人、中に入ると蛍光灯が消えそうでチカチカしていた、ともかくお腹がすいているので盛りそばを頼んだ、蕎麦屋の60歳くらいの女性店員はお客と話しをしている。

 

誰かもう一人いてそばでも茹でているのかなおと思いつ待っていたが、話をしていた店員がそばを茹で始めた注文して30分ほどして盛りそばを持ってきた。そばを見るとなんとなくふやけているような気がしたが、そば汁にそばを入れて一口食べた、ソバはふやけていて、汁の色はついているがダシがでていない、こんなマズイそばは初めて食べた。

 

自分で作ってもこれより美味しいものができる、二口目を食べる気がせず電車の時間がないと言って料金を払い食べないで出てきた、私がソバ屋に入ってソバを残したのは初めて

 

です。駅に戻りよく見ると大手のチエン店のそば屋があった、あのような気持ちの入らない商売をやっていると、地元の商店のシャツターが増え地元で育った店がまた消されていくような気がしてしょうがない。

 

商売をしている人が高齢化し、客の気持ちが変わってきているのを理解できず、今まで通りの商売をして、取り残されている店が多いのに高岡で驚かさせられた。

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