芝桜          2010.5.26 吉田 頼平

 五月の連休、秩父の羊山公園へ芝桜を見に定年を過ぎた親爺ギャル6人が見学に旅立つ。

一般にこの年では温泉なのに、何故か芝桜である、そういえば昨年も足利の藤であった、

特別花好きな人がいるわけでもないのに不思議な話である。

 

新宿駅で待ち合わせ世話役が切符の手配、これが面倒なのである、そうだ各自にPASM

Oを持っているのでこれを利用しょうと話がまとまり、これが便利である、今世紀最大の

発明である。

 

仲間が揃ってまず話題は「誰かが亡くなった」と同僚の話である、我々もこんな年になり

チヨッピリ寂しさを感じるのである、池袋駅から西武線で秩父まで特急が走っているが年

金生活で金はないが時間があるので、のんびり急行で約2時間、都会のビルから新緑が美

しい自然を眺めながら電車の旅はいいものだ。

 

秩父駅からは羊山公園まで徒歩30分、花の見頃と連休が重なり家族連れや団体さんで大

変な混雑、入場料300円で丘陵一面ピンクと薄紫・の可憐な芝桜がコントラストが良く

 

植えられていて、その美しさは感動的であるが近づいて1本の花を観察すると驚くほどの

美しさはないが、数が集まれば美しいと悟った、場内はごったがえしていて、写真を撮っ

たりしキャキャと大騒ぎであった。 

 

 

 

一時間ぐらい散策して会場を後にして駅に戻り観光案内図を頼りに秩父物産展や名前を忘

れたが素敵な彫刻のある寺を見学し道の駅でみやげ物を買い、大の大人が揃ってソフトク

リームを食べたりし楽しんだ。

 

帰りの秩父駅で電車を待つと暫くすると電車が来たので全員座る、SLが通過すると言う

情報が入ると写真を撮ったりしていたが、反対ホーム側にボックス席の車両のついた電車

が入ってきたので乗り換えた、電車の旅はボックス席が良い。

 

我々のメンバーは都会育ちの人と多摩育ちの人々のため、飯能駅で都会育ちの者と別れた、

多摩育ちの者は八高線に乗りかえたのだ、時刻表をみると午後3時は、八王子行きの電車

は一時間に一本しかなく、いささか呆れて現実こんな路線がある事に驚くと言うより感心

した。

 

何もない小さな駅で、仕方がないので途中まで行く下り電車に乗り隣の駅を散策する始末、

だがこれと言った収穫もなかった。只ぼんやり待つより有効に時間を使ったと勝手に自分

達を褒めただけであった。こうして日帰りの旅は終わった、元気な仲間と一緒に旅をでき

た事を神に感謝。

                         ―――おわり―――

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